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中古マンション最新トレンド

都心は高くても売れる?2017年10月時点 中古マンション・住宅地価

2017年11月24日
2017年10月時点の実勢価格調査にもとづき、住宅地と中古マンションの最新価格動向を紹介します。国内外の政治・経済の動きをよそに、住宅地や中古マンションの価格は穏やかに推移しています。今後はどうなるのでしょうか。

今後、良い物件が手に入れにくくなる?
都心3区の物件こそ早めの決断を!

都心部では「もう価格が高止まり。これ以上の値上がりは考えにくい」という声がありますが、一方で、それとは反対の図4のようなデータもあります。

都心3区(千代田区、中央区、港区)に絞った成約状況を見る限り、成約件数も成約価格も上昇を続けているのです。つまり、高くても売れるものは売れているし、値上がりしている物件も確実に存在しているということです。相場全体が同じ動きをしているのではなく、価格帯によって異なる動きが出ているということではないでしょうか。
(参考:都心のマンション、いま売り出されているのは?

実際に営業現場では「中途半端な物件が売れない」と言われます。都心にあって専有面積が200m2以上の6~7億円の価格帯の中古マンションは、現在も富裕層に売れています。片や、50~60m2のコンパクトタイプで1億円から1億5000万円の価格帯は、高年収サラリーマン層の実需が付いているのです。

これらの中間、100m2前後で3~4億円の中古マンションが売りづらい状況になっているというわけです。新築マンションでも、最上階のプレミアム住戸と低層階の"お値打ち価格"の住戸から売れて、ボリュームゾーンの最多価格帯が難しいという話も聞きます。


中古の命運を握る新築市場の行方は?

新築マンションを探し始めても予算オーバーで買えないため、中古マンションに目を向けるケースは少なくありません。中古の需要が高まる大きな理由の一つです。

しかし、このようなケースで「中古も検討している」ことが新築マンションの営業マンに伝わると、「価格の値引きに応じる」と提案され、新築に戻るという話も聞こえてきます。やはり新築市場の行方も気になるところでしょう。

ここ数年続いていた新築マンションの値上がり傾向に歯止めがかかり、在庫(継続売り出し中物件の数)が増えているエリアなどでは、抑えめの価格で販売する例も出てきました。

新築マンションの価格は、もともと地価や建築費などの原価が高騰したために上げざるを得なかった面があります。価格を抑えるために、止むを得ず面積を圧縮したり、設備仕様のグレードを落としたりする例もあり、それが売れ行きダウンにつながる一因ともいわれていました。

こうした状況を打開するために、価格を抑えるのではなく、あえて設備仕様のグレードを高め、プランの良さで勝負する新築マンションを企画する動きも出てきました。地域相場から見ると高値に挑戦するような価格帯で売り出しても、反響があることがわかったのです。その影響で、周辺の中古マンション価格が押し上げられる事実もありました。

価格に見合った価値のある良い物件であれば購入したいという住宅ニーズは根強いということがわかります。

中古マンションについても同じことがいえます。中古マンションの在庫が膨らむと、本来は値下がりするはずのところが、いまだに価格は高い水準で横ばいを続けているのは、底堅い住宅ニーズを反映しているからでしょう。

さらに、中古マンションの新規売り出し物件数は徐々に減っています。高くても良い物件から売れていく状況のなか、全体の相場情報だけを見ていると、良い物件を手に入れるのは難しくなっていくかもしれません。希望に合った物件を逃さないためにも、個々の動きについても注意を向けるようにしてください。

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